■2023年11月19日 日曜礼拝メッセージより(主任牧師 辻 秀彦 師)
満ち足りる心を伴う敬虔
主題聖句(第1テモテ6:6~9)
しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。
私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。
衣食があれば、それで満足すべきです。
金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。
今の世界は暴力で支配されています。話し合いと言っても、その背後に核を抑止力としてもって、力のある国が力のない国を従わせるという原理の元で動いています。ただおひとり、イエス・キリストだけが、愛によって神の国を治められます。それを目指して私たちは進んでいます。
今日の主題聖句は心が痛みます。このように生きるのは本当に難しい世の中だからです。
私たちはできたら金持ちになりたいと思います。金持ちになって貧しい人々を助けたいというのも理由のひとつでしょう。しかし私は牧師に召されました。
今日語る「満ち足りる心を伴う敬虔」とは、それぞれが与えられた人生において、自分の分をわきまえ、自分に合った分相応の生き方を神の前にするということです。
◎アダムとエバの失敗に陥らないために
彼らは禁断の木の実を食べてしまいました。彼らは園のどの木の実も食べてよいと言われていましたが、ただひとつだけ食べてはいけないと言われていました。
それが、神が与えられた唯一のルールだったのです。蛇(サタン)はエバの食べたいという欲望を用い、その欲望をかきたてて神の唯一のルールを破らせ罪を犯させました。
これがサタンの策略です。サタンは人間の欲望を巧みに利用し、欲望を満たしたいと思わせ、どんどんエスカレートさせていくのです。
例えば100万円得たいという欲望を満たしたら、今度は200万、300万と限りなくなっていきます。
そしてその欲望を満たすためには、周りに迷惑をかけても仕方ないと思うようになり、いつの間にか周りを犠牲にしても、自分の欲望を満たしたいと思うようになっていくのです。
金銭を愛するとは欲望に従っていくことで、あらゆる悪の根になります。
今世の中は貨幣経済となっていて、そこから離れることはできません。
こういう世界だからこそ「満ち足りる心を伴う敬虔」が大切になるのです。
テモテが言う大きな利益とは何でしょうか。それはお金では買えない「永遠の世界をもたらす利益」です。
主題聖句からのポイント
(1)満ち足りる心を伴う敬虔
主を畏れる心からの自己満足と敬虔さ
敬虔さは神を畏れる心です。敬虔さによって自分の欲求をコントロールし自制することができるようになります。自分の分をわきまえて満足できるのです。
正しい良心で欲求を正しくコントロールし、健全な欲求を持つようになりましょう。
(2)何一つ持って来なかった
神のかたちの【姿】以上に素晴らしいものはない
私たちが持って来たのは私たちの存在だけで、持っていけるのも私たちの存在である霊であり、魂、いのちだけです。このいのちは神の形であり、神の姿です。
人の霊、魂は神に似せて造られたのですから、それ以上に素晴らしいものはありません。
これだけで私たちは満足するべきです。それ以外のもので欲求を満たしたいと思う理由は神の形の素晴らしさを充分知らないからです。
(3)衣食があれば
神が各自に与えられているもの以上のことに関心を持たない
この世で生きるために最低限必要なものは衣食です。神は私たちに必要なものは備えてくださるのです。
家を与えられるのであれば手に入れていいですが、無理して手に入れる必要はありません。自分のできる範囲で生活すればいいのです。
自分の与えられているものを良く考えて用いていくのは良いことで、向上心を否定しているのではありません。
(4)有害な多くの欲
経済社会→利益追求社会
貪欲に至らせる社会の仕組み
お金の力を得たいと思っている人は、有害な多くの欲に陥ってしまいます。
この世は増えていくことを願い続けるように仕向け、肉の欲求を満たすことにどっぷりと浸り、それが幸せと思わせるのです。罪の力は欲を用いて働きかけ、ついには破滅をもたらします。
自分の分をわきまえた人を神は用いてくださいます。それが敬虔です。
神の国は愛を満たすことこそ幸せと思う国です。私たちはどんなに経済的に厳しい状況になっても、決して神を恨むことはありません。
むしろ神の永遠の愛の中で互いの愛に満たされることが幸いだと思えるのです。
例えそういう家族や配偶者がいないとしても、あなたには永遠の愛で愛して満たしてくださる神がおられます。
世の中はますます自分の利益のみを求め、他の人を顧みないようになっています。経済発展は本当の幸福はもたらしません。
経済社会は互いの力を出し合ってより良い社会にしていこうという状況をいつの間にか変えてしまい、個人主義が横行していきます。
自分の利益のために家族さえも利用していくのです。クリスチャンもその欲望に陥らないように敬虔さを求めていきましょう。
【デボーションポイント】
(マタイ6:33)
「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。」
★神の国とその義とに関心を持つ
★個々に必要なものは与えられる
★模範の姿
(コロサイ1:15)
「御子は、見えない神のかたちであり、造られたすべてのものより先に生まれた方です。」
魂の幕屋である肉体も大切。それ以上に、魂のための神の国とその義も非常に大事。
人生の中心に敬虔さを置きましょう。与えられている経済力に満足し、この世の有害な欲に陥らないように気をつけましょう。
【川柳】
肉欲の 満足感は 敬虔より
私たちは敬虔という自制心の中で肉の満足感を味わうようにしましょう。それが健全な欲求になります。